14年前の景色

南外村・不動の滝(2009年5月撮影)

今年5⽉、⼤仙市の南外村という所に⼀⼈でドライブに⾏きました。
南外村は横⼿市⼤森町の北隣で、雄物川の南隣にあります。
この辺りは低い⼭が連なっており、笹森丘陵と呼ばれる⼭地に位置しています。

そこに訪れたのは記憶する限り、⾼1の時が初めてで、
再び訪れたのは14年振りでした。
免許を取り、20歳になってから移動の範囲も広がり、⼭奥に村を⾒付けると、
どんな産業で村が成り⽴ったのか等、気になる事も多くなりました。

今では廃村⼨前の旧浮蓋駅(由利本荘市)周辺も、昔は鉄道が通り、
炭焼き⼩屋が⽴ち、⽊炭が輸出されていたのだそうです。
しかし、産業構造が変わり、交通⼿段が変わると、
次第に忘れ去られていきました。

⾼1の時は、カメラが趣味だったのですが、今のように⾃⼰表現の⼿段も少なく、
毎⽇が灰⾊のようでした。
当時は不景気だったのもあり、先⽣達は私達⽣徒に、早く⾃主性を⾝に付けさせ、
社会⼈になるという⾃覚を持たせようとしているようでした。

今の私でも、⽴派な⼤⼈というにはとても⼒不⾜です。
ですが、かねてより興味のあったパソコンで、このような仕事に就けているのは、
当時の⾃分からも想像が付かなかったでしょう。

公⺠の先⽣も⽣徒に関⼼を持たせる為に「少し乱暴な⾔葉」も使っていましたが、
公⺠・社会科というのは世の中に関⼼を持つきっかけであり、
それは社会⼈としての第⼀歩です。
しかし、当時の⾼校⽣は移動⼿段も限られていて、
ストリートビューもなかったので、
こうした「世の中の事」に関⼼を持つきっかけもなかったのです。

出⽻丘陵広域農道(出⽻グリーンロード)で秋⽥市に向かう際にも、
南外村を経由する事になります。
出⽻グリーンロードは、雄物川町、⼤森町の⼭間を縦断しながら、
南外村へと向かいます。

この道路は林業の幹線道路なのかも知れませんが、
地図から⾒ると、⾕や⼭奥に拓かれた農地を上⼿く通っています。
このような広域農道は、沿線の農地を⼀つの⼤きな圃場と⾒なし、
⼩規模の兼業農家も含め、効率的に農作物を集積する⼯夫だそうです。

雄物川町、⼤森町、南外村は平野部の⼗⽂字町と違い、
⼭間に幾つもの集落郡を内包しており、⼀本の広域農道が市境を超え、
それらを連結しているのです。

⼭に囲まれた農村という独特の景⾊が維持されているのは、
広域農道と県道の道路網のお陰と⾔えるでしょう。
旧浮蓋駅のように、交通の利便性が失われた所は、
過疎化の進む秋⽥県の中でも著しく衰退が進んでいます。

今の秋⽥県は暗い側⾯ばかりではなく、
⾼齢になっても農家の⼈達は元気に働いています。

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