縁起のいいモノを食べたり、身に付けたりすることを“ゲン担ぎ”といったりしますよね。
営業や、合格祈願など理由はさまざま。
年始、私いぶりがんこは初詣に行っておみくじを引いてみました。
結果は、――小吉ッ!
なかなか良い内容だったのでゲン担ぎにと財布にしまいました。
昔からそう教えられ、なんの疑問も抱かずやってしまいますが、なぜ引いたおみくじを財布に入れるのでしょう?
前回と少し似たタッチのテーマになりますが「ゲン担ぎの由来や方法」についてまとめてみました。
“ゲン担ぎ” 言葉の由来
諸説ありますが、江戸時代に流行った「逆さ言葉(倒語)」が言葉の起源とされています。
逆さ言葉(倒語)とは、言葉を逆の順序で読む一種の言葉遊びのことです。
現在はザギン(銀座)、シースー(寿司)などの「業界用語」という言葉で広まっています。
“ゲン担ぎ”は元々”縁起担ぎ”でしたが、
エンギ担ぎ ⇒ ギエン担ぎ ⇒ ゲェン担ぎ ⇒ ゲン担ぎ のように
倒語が変化し、そのまま定着したとされています。
逆さ言葉がそのまま定着した言葉はほかにもあります。
・だらしない
もとは「自堕落(じだらく)」から派生した「しだらない」という言葉が倒語の「だらしない」になり定着した。
・新しい(あたらしい)
もとは正しい読みである「あらたしい」が「あたらしい」と倒語になり多用されて定着した。
・グレる
ぴったりと合う対の殻に例え、何か嚙み合わない状態のことを「グリハマ」と倒語で表現したのが始まり。
「グリハマ」が「グレハマ」になり、動詞として変化した「グレる」が定着した。
“ゲン担ぎ”の方法とその理由
縁起物を食べたり、触れたりとゲン担ぎの方法はさまざまです。
ここでは、ゲン担ぎの方法と理由をまとめてみました。
・おみくじを財布に入れる
引いたおみくじの内容が良かったら持ち帰り、悪かったら神社に結ぶものと教えられた方が大半だと思います。
実は内容の良い悪いに関係なく、持ち帰る方が良いという考え方もあります。いつでも見返せるように財布にしまい、おみくじのお告げに従い行動することで運気上昇につながるとされています。
・タコ(酢蛸)
その名前から「多幸」と呼ばれることもあり、茹でて真っ赤になったタコは魔除けの縁起物とされています。
受験生のあいだでは、タコの置物を机に置いて合格祈願をする「置くとパス(オクトパス)」で親しまれています。
・お賽銭に五円玉
身に付けたり、お賽銭にいれたりすることで「縁結び」のゲン担ぎになるといわれています。
お賽銭に入れる場合、五円玉の枚数で願いを託すこともできます。
5円(1枚):ご縁がありますように
10円(2枚):重ね重ねご縁がありますように
15円(3枚):十分ご縁がありますように
20円(4枚):よいご縁がありますように
25円(5枚):二重にご縁がありますように
30円(6枚):調和のとれたご縁がありますように
35円(7枚):再三ご縁がありますように
40円(8枚):末広にご縁がありますように
45円(9枚):始終ご縁がありますように
50円(10枚):五重の縁がありますように
……等々
・ダルマ
ダルマのモデルはインド出身の僧侶「達磨大師(だるまたいし)」といわれています。
可愛らしいフォルムと「七転び八起き」の縁起物で知られ、体の色によってゲン担ぎの意味が変わります。
赤:魔除け、家内安全、無病息災、開運吉祥
白:目標達成、合格祈願、大願成就
黄:金運上昇、五穀豊穣
黒:商売繁盛、事業繫栄
緑:健康祈願、健康長寿、身体健勝
桃:恋愛成就、結婚成就
最後に
これまで神社の境内に結んでいたおみくじですが、保管方法に明確な決まりはなく、今では持ち帰っても良いとしています。おみくじには神仏が宿るとされているので、お守りとして持つのも良いかもしれません。
ゲン担ぎには少し洒落の効いたユニークなモノも多く、その一つ一つに、受験や就職活動などに挑む人々の切なる願いが込められています。
私もゲン担ぎでもして、作業スペースに真っ白なダルマでも置いてみようと思います。
……怒られるでしょうか?
いぶりがんこでした。
へば、まんず!