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ある日家に帰ると、大きめの封筒がポストの口に突き刺さっていました。
私の家のポストは少し小さいため、A4サイズの封筒をたとえ二つ折りにしたとしても、少しはみ出てしまうのです。
……アマゾンでなんか頼んだっけが?
疑問に思いながら取り出してみると、そこには「AAB」の文字が。(AABは秋田の放送局のこと)
ついにテレビ局からのオファーが!?と思いましたがそこは冷静に考え、先日応募した抽選の事を思い出したのです。
中身を取り出してみると、丁寧な文の当選通知書とキレイな刺繍が施された「布製コースター」が同封されていました。
それにしても、何かに当選するって何年ぶりだろうか……。
あれは確か、中学の夏。
当時購読していたファミ通の――
………
……
…
その話はさておき、今回は「コースター」を話題に、歴史や種類など紹介したいと思います。
高いところは苦手なのだ。
そっちの「コースター」じゃないけど、念のため確認してみましょうか。
コースターについて
コースターとは、コップやグラスの下に敷く小さなマットのことです。
水滴に濡れているコップやグラスは滑りやすく、倒れやすい状態になっています。コースターを敷くことで滑り止めの役割を果たし、グラスが倒れにくくなるだけでなく、テーブルに傷が付くことを防いでくれる効果もあります。
・コースターの語源
コースターと聞くと「ジェットコースター」を思い浮かべる方も少なくないと思います。「コースター」にはどのような意味が含まれているのか調べてみました。
「コースター」の語源には2つの説があると言われています。
1.「下に敷くモノ」という意味
2.「沿岸貿易船・巡航船」が由来
一つ目は「コースター」という言葉は「下に敷くモノ」を意味する、という説です。コースターは別名「グラス・マット」とも呼ばれています。
また、アメリカやロシアでは斜面を滑るために利用するダンボール等の紙でできたソリも「コースター」と言います。そのコースターが金属製になって大型化し車輪が付いた乗り物を「ジェットコースター」と呼ぶようになりました。
もう一つは、本来の意味である「沿岸貿易船・巡航船」から由来するという説です。ジェットコースターは同じコースをぐるぐる回ることから、巡航船との共通点を重ねたと言われています。もう一方のコースターは「船のようにテーブルを巡るから」という説があります。
・コースターの歴史
コースターが日本で広まったのは戦後でした。
当時の進駐軍(第二次世界大戦後、日本に駐在した連合軍)が将校クラブで使っていた「紙コースター」が実用的だったため、日本でも作られるようになりました。
主にレストランや喫茶店、バーなどで使用され、コルク、木、布、金属など様々な素材のコースターが誕生しました。
コースターに似たものがあるよね
茶たくとソーサ―ですね
「茶たく」と「ソーサ―」との違い
~ 茶たく ~
「茶たく」とは江戸時代中期ごろからある、茶碗の下に置く皿状のモノです。
茶たくは、水滴対策で使用されるコースターとは違い、熱いお茶が入った茶碗で手をヤケドしないよう配慮するための道具として使用されています。
~ ソーサ― ~
「ソーサ―」とは、紅茶文化のあるイギリスやフランスが18世紀ごろから使用している皿状のモノです。
ソーサーは現在でも使用されていますが、元々は熱湯で作られる紅茶をソーサーに移し替え、冷ますことで飲んだ時に口元をヤケドしないよう配慮するための道具でした。そのため現在の平たいデザインより、深皿タイプが主流でした。
コースターの素材と特徴
コースターに使用される素材には、それぞれ特徴があります。
その特徴と使用上の注意点も併せて紹介しますので、自分に合った素材を見つけてみてください。
<珪藻土> 吸水性、速乾性が高い
珪藻土製のコースターは、吸水性と速乾性に優れています。珪藻土は、藻の一種である珪藻が化石化したモノで、無数の微細な穴が空いているため、湿気や水分を吸収できます。また速乾性にも優れており、濡れてもすぐ乾くのが特徴です。
表面がザラザラしているので、グラスの底に傷が入らないよう注意が必要です。
<天然素材> 温かみのある質感
木、ラタン、竹製などの天然素材のコースターは、素材本来の温かみを感じられるのが特徴です。ナチュラルな雰囲気が和風、洋風を問わず、様々なテイストのグラスやテーブルコーディネートに馴染みます。
吸水性はあまり期待できないモノが多く、ひび割れやカビの発生に注意が必要です。保管の際はよく乾かすようにしましょう。
<布・フェルト・ロープ・レース製> 使用後のお手入れが簡単
布、フェルト、ロープ、レース製のコースターは、軽量かつ吸水性が高いのが特徴です。インドファブリックを利用したカラフルなデザインや、フェルトを使用した可愛い動物がモチーフのモノ、ロープを使用したナチュラルテイストなモノなど様々な種類があります。
洗えるタイプも多く、お手入れが簡単ではありますが、シミや縫い目のほつれに注意が必要です。
<コルク製> 軽量で扱いやすい
コルク製のコースターは、軽量で扱いやすいのが特徴です。適度な弾力性と遮音性があるため、コップやグラスを置いた際の衝撃を吸収します。ナチュラルな質感とシンプルなデザインが幅広いインテリアに合います。
木製と同様、水分を含んだまま保管するとカビや型崩れの原因になるので注意しましょう。
<紙製> 使い捨てができて手軽に使える
紙製のコースターは、汚れても毎回捨てられるため、衛生的に使用できるのが特徴です。でデザインは無地のモノから、柄やキャラクターがプリントされたモノなどあり、バラエティに富んだデザインが多いです。また余白にメッセージなど書き込めるので、パーティーなどでの使用もおすすめです。
グラスにくっつきやすく、濡れると破れやすくなるのが注意点です。
こんなにあるの?
そうなんです
一旦ここで息継ぎしましょう
<陶器、タイル、ガラス、ビーズ、貝製> 拭くことで衛生的に使える
陶器、タイル製のコースターは水に強く、拭くことで清潔に使用できるのが特徴です。耐熱性に優れているため、熱いマグカップなど置くのに適しています。
ガラス、ビーズ、貝製のコースターは見た目に清涼感があり、手軽に季節感を取り入れることが出来ます。
どれも吸水性に期待できないので、グラスの転倒には注意が必要です。
<シリコン製> 丸洗いが可能で、滑り止め効果がある
シリコン製のコースターは滑りにくく、耐久性に優れているのが特徴です。コルク製と同様、弾力と遮音性もあるため、グラスを置いた際の衝撃を吸収してくれます。
シンプルなモノから繊細なモノなどデザインも多く、汚れても丸洗いすることで衛生的に使用できます。
シリコンの特性上、コースター同士がくっつきやすいので保管の仕方に注意しましょう。
<アクリル製> 軽量で扱いやすく、デザインが豊富
アクリル製のコースターは、軽量で耐久性に優れているのが特徴です。透明感のある涼しげな印象のモノや、押し花や切り絵などを入れ込んだモノなどデザインが豊富です。
丸洗い出来て衛生的ですが、表面に傷が入りやすいので注意しましょう。
<金属製> ゴージャスな雰囲気で、経年変化も楽しめる
金属製のコースターは、シルバーやゴールドなど輝きのある色でテーブルに華やかさを与えてくれるのが特徴です。アンティーク調なモノや、ガラス細工と組み合わさったモノなどデザインや形状も様々あります。
吸水性がほとんどないので、グラスの転倒には注意が必要です。
どの素材がいいかなぁ……
自分は布製が好みかなぁ……
ユニークなデザインコースター
ここでは少し視点を変えて、ユニークな見た目のコースターを紹介したいと思います。
自分用にでも、プレゼントにでも最適なちょっぴり変わった商品をまとめてみました。
1.LED内臓 ライトコースター
コースターの中心にLEDライトが内蔵されており、置いたグラスや飲み物を幻想的な雰囲気にしてくれます。商品によって発光色が異なり、白や青の単色や、レインボーに光るモノもあります。
2.酒樽風コースター
ウイスキーやワインなどの酒樽をモチーフにしたコースター。
コースターとしての使い道はもちろん、インテリアとしてテーブルに置いてもおしゃれなホルダー付きです。
お酒好きな方への贈り物としても最適です。
3.畳柄コースター
畳をモチーフにした和風テイストのコースター。
本物のい草を使用したモノもありますが、柄の入った樹脂製もあるので衛生的に使用できます。
冷たいお茶や和菓子との見栄えも良く、お茶の席におしゃれな印象をプラスしてくれます。
4.フロッピーディスク型コースター
少し懐かしさを感じるフロッピーディスクをモチーフにしたコースター。
オフィスのデスクや、パソコン横にあるだけでインテリアとしても活躍しそうなデザインです。
カラフルでエンタメ性抜群なので話のネタになるかもしれません。
5.レコードディスク型コースター
レトロな雰囲気のレコードをモチーフにしたコースター。
収納ホルダーはレコードプレイヤーの形状になっており、置くだけで卓上のインテリアになります。
見た目も可愛らしいので贈り物で渡せば、男女ともに喜んでもらえるでしょう。
(ポチポチ……)
(さっそく注文してる……)
最後に
14万人が「自宅でコースターを使用しているか」について回答したアンケートがありました。
そこでは…
・「まったく使用していない」が46%
・「使用する」が19%
という結果でした。
その理由には「習慣がない」、「使おうと思ったことがない」という意見が多くあるようです。
結露しにくいコップやグラスの出現で、使用する機会が減ってきているコースター。
機能性やデザイン性に富んだモノが増えてきているので、おうち時間にワンポイントとして1つあると気分転換になるかもしれません。
かく言う私いぶりがんこ、普段からコースターは愛用しており、飲み物とグラスの種類に合わせたデザインを選んでおります。
マグカップなら布製コースター、お酒なら珪藻土コースターといった感じです。
今じゃ100円ショップで珪藻土コースターが買えちゃうんですよ。
すごい時代ですよね。
ぜひ、自分の好みに合ったコースターを探してみてください。
いぶりがんこでした。
へば、まんず!