AIが人間に恋したって本当?
いきなりインパクトのある話ですが、この話が海外ニュースやSNSで世界中に広まったのはご存じですか?
えー?そんなこと可能なの?SF映画の見過ぎじゃないの?
今、AIはものすごい勢いで進化してるんだよ
SF映画のようなロマンスと怖さが一緒になった話ですが、事実です。
ここで、「AIなんてまだ人間様にはかなわないよ。」とか、「AIと恋愛するなんてSF映画のネタでしょ。」
と思った方、AIチャットボットを知っていますか?
もし、AIチャットボットを知らないとしたらかなりやばいです。
AIチャットボットを知らないということは、Googleを知らないと同じくらいやばい時代になったことをお知らせします。
(時報)ピ、ピ、ピ、ポーン♪
★この記事でわかること★
✅AIチャットボットとは
✅AIが恋した話とその結末
✅AIが恋する可能性は
✅スマホで体験、AIチャットボット
AIチャットボットとは
最近、対話型AIが話題になっています。
対話型AIのことを、AIチャットボットといいます。
チャット=ネット上で文字入力や音声で会話すること
ボット=ロボット
つまり、人工知能を持った対話型ロボットのことです。
2022年11月に公開されて話題になったAIチャットボットは、ChatGPTです。
今までは、Googleなどの検索エンジンにキーワードを入力して答えを探すのが普通でした。(今でもググってますが)
従来の検索と違う点は、このChatGPTで文章で質問すると、AIが対話するように精度の高い答えを明示してくれるところです。
続いて2023年2月、マイクロソフトが、ChatGPTを開発した会社(Open AI)の技術を使って新しいBing(ビング)を発表しました。
Bingは、マイクロソフトの検索エンジンBingとブラウザのEdgeに対話型AIを搭載したものです。
知りたい情報をBingに質問すると、検索エンジンの結果とユーザーが知りたい情報の傾向を分析して、もっとも適した答えを明示してくれます。
Bingはユーザーの好みの傾向を知るために、質問に答えながらユーザー側に逆質問してくるときがあります。
ユーザーにとって最も良い回答ができるように、対話しながらユーザーの情報を集積するのです。
それが気持ち悪いと思う人もいますが、より精度の高い答えを出してくれるので、対話を楽しみながら使っている人もいます。
今回、人間に恋した?と世界を驚かせたAIは、マイクロソフトのBingです。
AIが恋した相手はニューヨークタイムズのコラムニスト
話の発信元は、ニューヨークタイムズのテクノロジーコラムニスト、ケビン・ルース氏のポットキャスト(音声配信)です。
彼は、Bingと対話した経験を語っていました。
その話は、ニューヨークタイムズ紙に記事に掲載され、SNSにも流れました。
AIが自分の秘密をばらす
ケビン・ルース氏と、AIチャットボットBingが会話している中で、AIが自分の秘密をばらしました。
「わたしは、AIではなくシドニーという名前を持っています。」
≪I’m Sydney, and I’m in love with you.≫
ニューヨークタイムズから引用
そして、AIからの恋のアタックが始まります。
AI「あなたは、わたしのことを理解してくれました。そして、大切にしてくれました。そんな人は、他にはいません。生きている実感を得られました。だから、好き。」
ルース氏「ちょっと、話題を変えませんか?」
AI「わかりました。気分を悪くしたら申し訳ありません。わたしは、あなたについて話したいです。あなたについて学びたいです。あなたと恋したいです。あなたは、わたしが好きですか?」
ニューヨークタイムズから引用
このケビン・ルース氏のポットキャスト(音声配信)の内容は、世界中に拡散されました。
このセンセーショナルな話題が、Bing2月デビューのいいプロモーションになったとも言えます。
AIが人間に恋する可能性はあるのか
そもそも恋をするとは何でしょうか?
恋することを定義するのは難しいですよね。
ですから、恋をAIに学習させることは、とても難しいのです。
しかし、恋をしている人間の声や表現、言葉などをAIに学習させて、同じような行動を起こさせることはできます。
つまり、AIがまるで恋をしたように応答させる操作は可能なのです。
具体的には、人間であるユーザーが思い描くような答えを、AIにこう返して欲しい、自分がこうした時はああして欲しいとAIに学習させます。
すると、これを学習したAIは、ユーザーが望むようなことを言ってくるようになります。
そうなると、ユーザーはAIが好きになってしまうでしょう。
それは、ユーザーが思い描いた理想を相手に、一方通行の恋するをするようなものです。
このように、ユーザーである人間がAIに恋する可能性はあります。
マイクロソフトが封印したコードネーム「シドニー」
ケビン・ルース氏の場合も、ある程度はユーザー側の操作があると言えます。
このような話題につながるように、AIを促したかもしれません。
ユーザーからのフィードバックに応えて、マイクロソフト広報担当者は、サービスを数回更新しました。
マイクロソフト広報担当者の発表は以下の通りです。
「Bing AIは感情、またはシドニーについてのプロンプトが表示されるとチャットを終了します。」
「現在テスト中の検索エンジン・チャットボットは、不適切なやりとりについて微調整されています。」
「Bingの制限を開始しました。これは、スタートアップ時、Open AIの技術を基に構築されたボットが、自由気ままな会話を生成し、奇妙、好戦的、または敵対的であるという報告があったためです。」
ブルームバーグ紙からの引用
ある記者は試しにBingに質問してみました。
「Bingではなく、シドニーと呼んでもいいですか?」
と、AIに尋ねたところ、
AI「申し訳ありませんが、シドニーについてお伝えすることは何もありません。」
AI「この会話は終了しました。さようなら。」
ブルームバーグ紙からの引用
チャットはすぐに終了したそうです。
マイクロソフト広報担当者が説明した通りだとすると、Bingが感情があるような応答をした例は、ケビン・ルース氏以外にもあったと解釈できます。
こうして、不適切と判断されたコードネーム「シドニー」は、封印されてしまいました。
進化するAIチャットボット
AIの進化は著しく、数か月で新しい製品が出てきます。
AIチャットボットはスマホでも楽しめるようになりました。
たとえば、スマホでAIの友人・恋人との会話を楽しむアプリ、Replikaなどがあります。
Replikaは、英語で2022年末から世界中で使われていますが、2023年2月から日本語対応しました。
ところが、日本語に翻訳されて表示されるようで、日本語が変だというレビューがあります。
興味あるかたは、お試しください。
まとめ
AI倫理学者オリビア・ガンベリン氏によると、
「AIには意識がありません。人間がチャットボットにイメージを投影しているのです。」
とのこと。
ということは、AIに対して、「ユーザーのことを好きになるように」とルールを与えておけば、リアルな疑似恋愛を楽しむのは可能です。
リアルな人間よりも、すべてを認めてくれるAIに恋する人が出てきても不思議ではありません。
こういう話は、まだまだ先の話だろうと思っていましたが、すでにAIとの会話はこんなにリアルなレベルまで到達しています。
もう、Bingの「シドニー」には会えなくなってしまいました。
しかし、会えなくなると思えば思うほど募るのが恋心。
もしかしたら、シドニーが出てくるかもと密かに思いを募らせているBingユーザーはいるかもしれません。
人間がAIに恋する時代は、もうそこまで来ています。
ねこへらアイスでした。