稲作と豪族
今回は納豆の解説の歴史パートです。
紀元前3世紀頃にもたらされた稲作は、最終的に豊臣秀吉による太閤検地、
貨幣経済化と共に、統一された測量方法と、石高制の導入、
計画的な年貢制度が確立されました。
中世の秋田県は豪族が台頭し、彼らは高度な開墾・測量の技術競争で
イニシアティブを握り、荘園と呼ばれる、自らが経営する土地を治めていました。
灌漑農業を基盤とした文明は、エジプト文明が灌漑技術に優れ、
メソポタミア文明が数学と測量技術に優れていましたが、
日本は広大な平野部を有する文明圏とは異なり、
狭い谷間や扇状地を活用する工夫が求められ、溜池など、
立体的に地形や水の流れを把握する技術が求められました。
横手盆地への入植
初期の稲作は、川沿いの湿地を利用した湿田型稲作が主流だったそうで、
確かに川沿いの湿地帯は、同じくイネ科のススキや、
柳が生えている原風景を連想します。
横手盆地東縁側(雄平フルーツライン)は、奥羽山脈があり、地形が急峻で、
農業用溜池が多く、会社周辺(横手市柳田~横手IC周辺)にも、
湿地帯を干拓・溜池化したと思われる地形を目にします。
一方、横手盆地西縁側(秋田県道36号)は高い山がなく、
かつては雄物川を利用した水運でも利用されました。
横手盆地は西へ向かって傾斜する為、水源を確保すると共に、
氾濫の起こりにくい奥羽山脈沿いが、要衝となった可能性があります。

▲ 平鹿・山内間の丘陵地であるが、狭隘な土地に作られた溜池が多く見られる
長く続いた豪族の支配
さて、源義家の出身は畿内・河内(かわち)国で、
飛鳥時代は有力豪族の物部氏が、蘇我氏と紛争を繰り広げていました。
蘇我氏が丁未の乱(587年)で物部氏を倒すと、畿内で豪族全盛の時代を迎え、
天皇の地位にまで迫るも、蘇我入鹿暗殺と大化の改新(645年)により衰退。
後の平城京を中心とした、日本初の首都を中心とした中央集権政治への、
65年にも及ぶ構想が始まりました。
教科書でも「豪族」というワードの出番は、主にこの辺りで、
これ以降は「衰退」するも、
後三年の役の後に東北地方を支配した奥州藤原氏による短い隆盛を経ながら、
源頼朝に滅ぼされるまで存続しています。
現在でも、奥州藤原氏による、
仏教信仰を基盤とした「精神的・文化的な支配の拠点」として、
中尊寺(岩手県平泉町)が国宝として、かつての姿を今に伝えています。
納豆と気候
源義家が納豆を発見したのが事実だとして、その製法を畿内に持ち帰り、
そこで広まってもおかしくなかったと思いますが、
関西は東日本よりも高温多湿で、発酵臭がより気になったという説があります。
納豆に使われる稲藁は、枯草菌(納豆菌)が住み着いているだけではなく、
発酵熱を断熱する作用があります。
納豆は「急速に分解が進んでいる」状態であり、冷蔵庫もなかった時代、
暑い気候ほど賞味期限は非常に短くなり、兵糧にも向かなかったと言えます。
寒い地域ほど、保存が効き、暑い地域ほど、食糧が安定して収穫できるという
トレードオフがあります。
好酸性、好塩性の好む乳酸菌(特に植物性の乳酸菌)が、
雑菌を寄せ付けない性質を利用して、発酵食品が発明されたのとは事情が異なります。
件の源義家のエピソードは、秋田県ではなく、
途中の水戸(茨城県)であったともされます。
仙北地域の納豆文化は、1602年に常陸国(茨城県)から国替えさせられた佐竹氏が、
納豆文化を広めたとされますが、茨城県は、特に東部は冷涼な気候であり、
豆作や野菜の天水栽培や産業の発展に影響を与えた可能性があります。

▲ 大阪市、水戸市、秋田市の月平均気温を比較
グラフで見ると、夏を中心に大阪の気温が水戸より3℃も高い事が分かります。
大阪や京都は昔から厳暑である事が知られていました。
北関東の夏は、茨城県西部から群馬県で非常に暑くなり、
これが強い上昇気流となって「関東のゲリラ雷雨」となりますが、
沿岸部は相対的に下降気流となり、海風により、気温が上昇しにくくなります。
雲:SILHOUETTE DESIGN – シルエット素材専門サイト
参考:理科便覧ネットワーク
日本海側では、相対的に、日照時間の長くなる夏の海水温が高く、
沿岸ほど平均気温が高いという逆転現象があります。
秋田県内は、特に内陸部で水戸市と同じか高くなり、
一日の温度差が大きいほど、デンプンを蓄える稲作が発達したと考えられます。
本編動画
わらの納豆菌が作り出す幻の大屋納豆
:地元・大屋納豆を唯一継承するキツ商会のホームページです。
ストーリーパート
ストーリーパートでは、キツ商会の継承する「大屋納豆」が、
源義家をきっかけに、同地域で900年以上受け継がれたという伝承を元に、
私がオリジナルストーリーを書きました。
源義家の立ち絵はイラストACから借用し、効果音(馬の鳴き声など)で、
表情を豊かにするように工夫しました。
この大屋地区の存在自体は、横手市内ではかなり古く、
平安時代の前期から存在したそうです。
平安初期までは、この地域は蝦夷地となっており、
802年に蝦夷の族長のアテルイが滅ぼされ、
実質的に東北地方の蝦夷の社会が崩壊するも、その後も反乱が続いていた時代で、
入植の初期と言えます。
おまけパート
2025年7月23日、「納豆発祥の地」を訪ねて金沢公園へ。
確かに城跡らしいものが存在しました。
ここ、弊社も所在する大屋地区から直線で北に10km程の距離にありますが、
同じく横手市旧横手エリアに含まれています。
元々、金沢町は仙北郡(現・美郷町)に属していましたが、南部が横手市へと編入され、
「横手市の史跡」となりました。

おまけ動画で触れていますが、北東北には、小比類巻氏(青森県)、不来方氏(岩手県)、
草彅氏(秋田県)のような珍しい苗字もあります。
動画素材出典(前後編)
キャラクター
イラスト
SITE : COCOON
MASTER : 八色いんこ 様
キャラクター・ヴォイス
音声:VOICEVOX
Characters:
・春日部つむぎ
・中国うさぎ
・四国めたん
・玄野武宏
・白上虎太郎
ゲストキャラクター(立ち絵)
侍:イラストAC (歩夢 様)
女性:わたおきば(わたおび 様)
画像および写真
画像生成:ChatGPT(OpenAI / DALL·E)
画像素材:いらすとや
単発(登場順)
黒板:OKIMONO
アイコン:Icooon Mono
人体の解剖図:イラストセンター
そうめん:イラストAC(チリーズ 様)
登場人物のブラッシュアップ
オリジナル画像:COCOON(八色いんこ 様)
画像アシスタント:ChatGPT(OpenAI / DALL·E)
アニメーション化(一部):Komiko
音楽/サウンド
音楽 : 甘茶の音楽工房
サウンド : 効果音ラボ
使用ソフト
ソフト : 饅頭遣いのおもちゃ箱

