「イーロン・マスクを解雇しろ!」
今、まさに新婚旅行へと出発する飛行機が離陸した直後でした。
新婚旅行に行こうとした男、イーロン・マスクがつくった会社の社員たちが、クーデターを起こしました。
いきなり衝撃的なオープニングにびっくりしちゃいました。
驚かせてごめん。
「人類を火星に連れていく。」
これは、SFみたいなビジョンに情熱をかけるイーロン・マスクの物語です。
イーロン・マスクの生い立ち
イーロン・マスクの生い立ちは決して恵まれた環境ではありませんでした。
南アフリカに住み、小学生時代はいじめられて、集団に溶け込めず一人で読書ばかりしている子どもでした。
9歳のときに両親が離婚し、イーロンは弟とともに父親に育てられました。
10歳の時にコンピューターを買ってもらい、独学でプログラミングを学習。
12歳で自作のゲームソフトを売って、500ドルを手にしました。
学生になってもいじめは続いて、階段から落とされたり、気絶するまで殴られたりしていたというから壮絶です。
父親も厳しい人で、学校にも家にも彼の居場所はありませんでした。
カナダ、アメリカへの移住
最新のテクノロジーへの憧れから、アメリカに移住したいと思っていましたが、資金がなくてその夢を実現させるには時間がかかりました。
まず、母親の出身国カナダへ移住します。
そこでは、小麦農場の清掃をしたり、野菜畑で働いたりしました。
また、ボイラーの清掃や、チェーンソーで丸太を切るなど過酷な労働をしていました。
彼は当時を振り返りこう言っています。
「毎日、ハードに働いてたけど、ちっとも苦しくなかった。いじめられていた日々に比べれば、そんなのはたいしたことはない。僕は自由で楽しかった。」
19歳でカナダのクイーンズ大学に入学。
21歳でアメリカのペンシルバニア大学の奨学金を受けて入学。
ついに、イーロンはアメリカ移住の夢を手に入れました。
大学時代の彼は、家賃を稼ぐために寮でナイトクラブを開いていました。
そのころから、人類の進歩に貢献する分野は「インターネット」「クリーン・エネルギー」「宇宙」だと、彼は考えていたそうです。
これって、今のやってる事業そのものじゃない?
いい質問だね。
25歳、スタンフォード大学の大学院に進学します。
ところが、マイクロソフトのWindows95を見た瞬間、インターネットの時代が来ると確信した彼は、たった2日で名門スタンフォード大学の大学院を辞めてしまいました。
たしか、スティーブ・ジョブズも、大学をたった半年で辞めたんじゃなかったっけ・・・
天才になると、大学の内容はだるいんじゃない?
大学院を辞めて最初の起業
イーロンは大学院を辞めて、弟と起業しました。
地図や道案内、イエローページなどを備えたインターネット上のシティガイドを開発する会社で「Zip2」という社名です。
・2年間は、ボロアパートをオフィスにして寝泊り
・シャワーは近くの教会で借りる
・ファーストフードが唯一のごちそう
こんな生活をしながら、1999年に運がまわってきました。
コンパックがZip2を現金3億700万ドルで買収し、マスクは7%の株式で2200万ドルを手に入れました。
続けて、オンライン銀行の送金サービス「PayPal」を創業し、CEOに就任しました。
2002年、宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するスペースX社を起業し、CEOに就任しました。
2004年に3つめの会社、イーロンはテスラ社に電気自動車開発のため、650万ドルを出資して大株主となり、会長としてテスラの取締役会に参加するまでになりました。
これで、「インターネット」「クリーン・エネルギー」「宇宙」の目標のスタートラインに、イーロンは立ったのです。
社員に嫌われ自分の会社から追放される
イーロンが創業した決済企業Paypalでは、彼はめちゃくちゃ嫌われました。
実はPayPalは、イーロン・マスクとピーター・ティールという2人のカリスマが作った会社です。
もともと、ピーターの会社にいた人たちは日ごろからイーロンが嫌いでした。
事の発端は・・・
・イーロンは社名をPayPalからX.comに変更したかった。
・システムに欠陥が見つかったとき、イーロンのスピード重視の方針に疑問を持つ人たちがいた。
・世界の金融の中心になりたいイーロンと、決済企業を作りたい幹部とのビジョンの違い
このようなすれ違いから、イーロンが新婚旅行に行くタイミングを狙ってクーデターは起きたのです。
イーロンは、言葉にならないほどショックを受けたでしょう。
自分が全資産をつぎ込んで作った会社なのに、何の説明もないまま追放されるなんて。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありです。
その後、PayPalは15億ドルの株式で買収されて、PayPalの筆頭株主であるイーロンは、1億7580万ドル (約200億円)を受け取りました。
イーロンはPayPal売却で得た約200億円を元手にテスラへの出資やスペースXの起業などに着手できたのです。
宇宙開発事業を本格的にスタート
「人類を火星に移住させること」をビジョンに掲げて創業したスペースXでしたが、宇宙へのチャレンジは失敗つづきです。
3回の打ち上げ実験に失敗。
民間のロケット開発は莫大な資金がかかりますから、会社のお金はなくなってしまいます。
世間からは「民間がロケットなんてつくれるわけがない。」と、ばかにされる始末でした。
しかし、イーロンは諦めません。
売れるものはなんでも売ると決意し、プレハブ住宅に住みました。
テスラ社を作った時のように、自ら現場で指揮をとりたいと会社の工場で寝泊りもしました。
イーロンは言います。
わたしは息をしている限り、あきらめない。
イーロン・マスク
今を生きる限り、挑戦を積み上げる。
イーロン・マスク
ロケット打ち上げ成功
運転資金を作り、破産寸前で行った4回目のロケット発射実験でした。
ここで失敗すれば、彼の会社は倒産してしまいます。
2012年、ついに引退したスペースシャトルの後継機の打ち上げに成功しました。
(しかし、その後のオリジナルのロケットは、また失敗しています。)
このロケット打ち上げの成功は、NASAに認められて、宇宙開発に関する受注に成功しました。
止まらないチャレンジ精神
そのあとは、あなたが知っている通りです。
2015年、今話題になっているChatGPTを開発したOpenAIにイーロン・マスクは出資しています。
ところが、「おれが指揮をとる!」と買収する気満々なところに、共同創設者のサム・アルトマンCEOなど経営陣がこれに反発。
確執が表面化して2018年にOpenAIの役員は辞めています。
ここでも、嫌われたのか。
そして、Twitter社を買収
Twitter社を買収し、Twitterの大変革を行ったのはご存じの通りです。
イーロンはTwitterというプラットホームとユーザーが欲しかったのです。
今後、動画も電子決済もすべてTwitter内でできるようにすると彼はツイートしています。
そして、2023年。「AIの開発を6か月間停止を求める著名運動」に著名。
しかし一方では、じぶんはしっかりAI開発に欠かせないGPUを買い占める暴挙に出ています。
(GPUとは、AIツールを開発するための半導体チップ)
AIに特化した企業、「X.AI」を創業して、次はAI分野で陣頭指揮をとる気満々に見えます。
イーロン・マスクの挑戦は続きます。
最後に
挑戦し続ける男イーロン・マスクの物語でした。
・新しい舞台に立つことを恐れないで
・重要だと思ったことは、成功率が低くても、チャレンジしよう!
あなたのモチベーションアップに役立てればうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。