「もはや日本アニメはサブカルではない、世界のメインカルチャーになった。」
こう発言したのは、角南常務です。
角南常務は、『すずめの戸締り』を手掛けた「コミックス・ウェーブ・フィルム」の偉い人。
ある日、彼は韓国の金浦空港からソウルに入りました。
その日はソウルのアニメイトに行く予定で、暗いオタクたちが集まっているだろうと想像していましたが、目にした光景は違いました。
そこに、オタク色はなく、まるで流行ファッションを楽しむように、アニメグッズを手に取る韓国人の姿でした。
子どもも大人も関係なく、アニメグッズに夢中になっている人たちで店内は満員だったのです。
この記事では、なぜ日本アニメが国境を超えて人気が広がったのか、その背景や要因について探っていきます。
また、海外での人気が急上昇しているアニメ作品についても紹介します。
わくわくするね。どんなアニメが人気なんだろう
え?これが?というものもあるし、やはりねというものもある
この記事のポイント
1.海外から見た日本アニメの魅力とは
2.海外で人気のアニメランキングの紹介
3.日本アニメが国境を越えた背景
1.海外から見た日本アニメの魅力とは
YouTubeなどで発信している外国人のアニメファンが、日本のアニメについて語っている内容をもとにまとめました。
①豊かなストーリー性とキャラクター設定
日本アニメはストーリー性が高く、視聴者がキャラクターに共感しやすいと言われます。
海外でアニメといえば、今までは子供向け作品が中心でした。
たとえば、スーパーマン、ディズニー映画、スポンジボブなどです。
アメリカ人に言わせると、ヒーローは最初からヒーローで、強いのが当たり前の設定が多いとのことです。
確かに、スーパーマンはサラリーマンなのに、最初から無双
主人公は、敵を倒して当たり前のストーリー展開が多いね
最初から主人公が強いと、キャラクターに自分を投影できないとの意見もありました。
日本アニメ、ドラゴンボールの悟空は最初は無力でだんだん強くなっていきます。
その成長過程が共感できて、最後まで応援したくなるのだそうです。
また、細かい動作がリアルで登場人物に共感しやすいという意見もありました。
ポーチからアイテムを取り出す動作、髪を結ぶ動作などです。
その動作で表される感情表現が好きという声がありました。
そこは日本らしさ感じるね
ジブリ映画や新海誠作品は、まさにそれ
②独自のアート演出がすごい
ここでのアートとは、背景などの美術とBGMなどの音楽を指します。
まず、背景についてはみんな一様に、「きれい」という感想が多いです。
背景にも手を抜かず、繊細に描かれています。
美しい背景画は、アニメーターの技術力もありますが、日本らしさかもしれません。
それに何気ないものまで丁寧に描かれていて、その世界に没入しやすいですね。
フランスやルーマニアなどでは、細かい部分まで見ているオタクがいました。
具体的な例をあげましょう。
たとえば、道路標示の「止まれ」は、日本人なら見逃してしまうほど日常的ですが、海外の人にとって、日本語の「止まれ」は非日常なのです。
実際に、来日して「止まれ」を見たときには、「めちゃくちゃ感動した」そうです。
そのほかに、神社が日本じゅうどこにでもあることが驚きだそうです。
アニメで見た神社が、東京のど真ん中でも普通に存在していること自体、異世界なのだそうです。
確かに、ビル群の中に突然、神社って存在してるなぁ
あと、バスの中で乗客がみんな窓の外を見ている。
電車の中でみんなスマホをみているなど・・・・
私たち日本人にとっての日常がアニメで描かれていて、実際に日本で同じ光景を見るとものすごく感動するそうです。
アニメソングについても同じです。
日本ではそれなりに有名なアーティストが曲を提供し、アニメの人気と一緒に新曲発売するケースが多いですね。
曲が音楽配信サービスで再生数ランキング上位をとって流行していくのは、ここ最近定番になりました。
音楽配信サービスの登場で、音楽の流行はアニメよりも早く海外に伝わっています。
2. 海外で人気のアニメランキング紹介
海外ではどうやってアニメのランキングしているのか、不思議ではありませんか?
実は、「My AnimeList」(マイアニメリスト)というサイトがあります。
このサイトは、あるアメリカ人のアニメオタクの男性が最初は趣味で立ち上げたサイトです。
彼が友人にこのサイトを紹介して、書き込みや投票をしてもらっているうちに、どんどん参加者の数が増えて、今では世界中のアニメファンのサイトになりました。
ここから、「My AnimeList」2023年9月現在の日本アニメランキングを発表します。
最も人気がある作品(総合ランキング)
1位:進撃の巨人
2位:デスノート
3位:鋼の錬金術師
4位:ワンパンマン
5位:ソードアート・オンライン
6位:僕のヒーローアカデミア
7位:鬼滅の刃
8位:ナルト
9位:東京喰種
10位:ハンター×ハンター
人気放送中アニメランキング
1位:進撃の巨人
2位:ブリーチ
3位:呪術廻戦
4位:文豪ストレイドッグス
5位:ワンピース
今後伸びるアニメランキング
1位:盾の勇者の成り上がり Season 3
2位:ゴブリンスレイヤーⅡ
3位:この素晴らしい世界に祝福を!3
4位:SPY×FAMILY Season 2
5位:ワンパンマン3
いかがでしょうか。
今後伸びるアニメランキングは、ほとんど日本とのタイムラグが感じられません。
特に音楽では、アニメソングにタイムラグがなく『推しの子』の主題歌YOASOBIの『アイドル』が人気です。
アメリカのビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”で日本語楽曲史上初の1位を獲得しました。(2023年6月)
これは快挙ですね。
3. 日本アニメが国境を越えた背景
①動画配信サービスの登場
昔から、日本アニメはドラえもんなど、海外には人気がありました。
最近の日本アニメが飛躍的に伸びたのは、動画配信サービスの登場がきっかけです。
ネットフリックスやアマゾンプライムなどの登場で、タイムラグなく日本のアニメを見ることができ世界中に広がっていきました。
海外では、アニメは吹き替えで放送されると、
世界のどこの国の言葉でも、主人公はその国の言葉でしゃべります。
アメリカの悟空の声優は、もっと男らしくて低音なんだよ
ええー-----!!!日本では女性の声優さんだからずいぶん違うんだろうなぁ
アメリカで渋い声の悟空に慣れてきたから、日本では違和感があるみたいよ
母国語で放送されると、大人も子供も家で気軽にアニメを見て主人公に夢中になりファンが増えて・・・・
そうなると、配信会社もどんどん日本アニメを放送します。
なにしろ、ハリウッド映画1本契約するよりも日本アニメのほうがコスパいいからです。
ハリウッド映画は1話数億円に対し、日本アニメは2000~5000万円で契約できるそうです。
しかし、あまりコスパがいいのも問題ですね。
なぜなら、高い給料を求めるアニメーターの海外流出につながりますから。
②世界の富豪や政治家がアニオタ
サウジアラビアのムハンマド皇太子が熱烈なアニメオタクなのは有名です。
彼はあまりにアニメが好きすぎて、国をあげてのエキスポを開催したくらいです。
他にも、
ロビン・ウィリアムズは「新世紀エヴァンゲリオン」
キアヌ・リーブスは「カウボーイ・ビバップ」
ミラ・ジョヴォヴィッチは「新世紀エヴァンゲリオン」
アンジェリーナ・ジョリー「崖の上のポニョ」
レオナルド・ディカプリオ「千と千尋の神隠し」「AKIRA」「ガンダム」
ウィル・スミス「ガッチャマン」「ルパン3世」
政治家ではイタリアの女性首相ジョルジャ・メローニ氏のアニオタぶりが有名です。
彼女がSNSで発信するほど好きなのは、「宇宙海賊キャプテンハーロック」「北斗の拳」
このように、挙げればきりがありません。
有名人が好きなアニメは、ファンにとっても注目に値し、更なる一般視聴者の興味に繋がっています。
【まとめ】
現在の日本産業が、人手不足や材料費の高騰で打撃を受けているなか、
アニメは海外進出に成功した数少ない成長産業です。
世界中に広がる日本アニメ市場は、今も広がり続けています。
将来、日本の子どもたちが大きくなって国際交流の場に出たとき、アニメの話題で海外の人と仲良くなるのかもしれません。